現場で役立つQOLの視点

介護職には利用者本位の姿勢がとても大切です。
利用者の暮らしを支えていくため、一定の指標を立てて実践していくことが尊厳を守ることにつながっていきます。
その際に役立つ視点にQOLがあります。
QOLとは生活の質、人生の質といった意味があり、必要な支援を見出していく際にも、個々の介護行為を実践していく際にも大切な考え方です。
◆QOLの詳細⇒http://sukoyaka-kaigo.net

生活支援と聞いて、入浴介助や食事介助などの身体介助だけがそれだと考える人は少ないのではないでしょうか。
人は生きるために食事や入浴を必要とするのであって、食事や入浴そのものが生きる目的でないのは当然のことです。
利用者が「その人らしい生活」を送れるように支援していくことがQOLの向上につながります。

例えば、何も置いていない殺風景な居室と、その人がなじんできた思い出の家具や写真が置かれた居室を比べてみるとどうでしょう。
自分なりの住みなれた生活空間を実感できることは人生の質をあげることができます。
同様に、食事においては、割れないからという理由で一律にプラスチック製の器が使われ、おかずも一緒に盛られて出てきたらせっかくの食事が作業の様に感じられます。
そうではなく、季節や食材に合わせた食器で食を楽しむことができれば、それが生活の質の高さにつながることは言うまでもないでしょう。

利用者が障害や要介護状態をかかえて生きることを支え、その人のQOLを高めていくことが、介護職として提供すべき専門的なサービスに求められる役割です。